東大地球惑星科学専攻への坂登り

東大地球惑星科学専攻に合格しました。これから受験される方にとって、この記録が有意義なものとなればと思います。

院試勉強について(物理編)

【私の基礎学力】

 数学に負けず劣らずのヤバさでした。力学、電磁気は学部の2年あたりに履修はしていたものの、某感染症のおかげでテストがなかったためにネットや参考書で調べながらレポートを解けば高評価が来るという感じで何も身についていませんでした。熱力は確か授業がなかった気がします。というわけでこちらも高校生と何ら変わらない学力のまま。過去問を最初に見たときも「慣性モーメントってなんやねん」って感じで全然できませんでした。

 

【傾向】

 物理はほぼ地惑のために勉強していたので、複雑理工のことは割愛します(まあ複雑理工本番では数学が全然わからず急遽物理を解くことになったのですが...)。一応ですが演習のために(コロナ前の)複雑理工の力学には取り組んでいて、ちょうどいい難易度の問題だったので、余裕がある方には演習としてお勧めです。

地惑物理

・力学・電磁気・熱力学から一題ずつ出題される。かつては選択式だったが、2023年からは全問必答になったので、すべての範囲を勉強する必要がある

・剛体の力学が頻出

・熱力は熱力学的関係式が頻出。他の大問と比べ計算量が少なく、パターンが決まっているため得点源になりやすい

・電磁気はかつては頻出のテーマに沿った標準的な問題が中心であったが、ここ数年で急激に難易度が増している

 

量子力学統計力学などの難しい物理学が範囲から除外されていることもあり、物理学専攻や天文学専攻に比べれば、解きやすい問題だと言えるでしょう。ただそうはいっても、まじめに解こうとすると特に力学・電磁気あたりで重い計算に出くわして苦戦することもしばしばありました。

 

【私の物理の勉強について】

学部3年12月

・過去問

 数学と同じく2020年度の問題を解いてみました。例によって全然解けず。後になって思ったことなのですが、2020年の地惑は他の年度と比べてクセがない標準的な問題なので、こういった腕試しに使うのはアリだと感じました。

 

学部3年2月下旬~3月

 年末から年明けの期間は数学をやるのに精いっぱいで物理は全然できてなかった気がします。ようやくここら辺から基礎固めを始めることができました。

 

・マセマ

 

 数学と同様にマセマにお世話になっていました。あまり覚えていないのですが、ちょくちょく演習のために同時に過去問もやっていた気がします。

 

学部4年4月~入試本番

電磁気学演習

 電磁気の理解がマセマだけだとどうしても進まなかったので、演習量を増やすために使いました。

 

・マセマ

 3月にやっていたマセマの復習はずっとやっていました。振動波動は確か直前の7月あたりに始めた気がします(専攻公式の試験範囲のpdfで振動波動論も一応言及されている)。苦手だった連成振動のところを徹底的にやりました。そもそも力学・電磁気のマセマとの共通問題が多い書籍だったので他のところはやっていません。地惑には出題されませんでいたが、今年の複雑理工の力学が二重振り子の問題をロンスキアンを使って解く問題だったので、結果的に役に立ちました。

 

・過去問

 このあたりから本腰を入れて過去問に取りくみはじめました。当初は10年分くらいやるつもりでしたが、6月初頭ぐらいに研究室訪問で20年分ぐらいの解答が手に入ったので、すべてやりました。取り組み方としては数学のところでご紹介したのと同様に、A4のノートに問題を縮小印刷して貼り付けて、余白に解法を書いて問題集を作っていました。

物理の過去問ノート

 物理に関しては、数学と違って他専攻の過去問にはそんなに手を出しませんでした。(冒頭で述べた通りちょっと複雑理工をやったぐらい)。地惑が剛体の力学を極端に好むことや、全体として大学物理というよりは高校物理臭い問題が多く、地惑以外の問題演習の有効性が低いと判断したからです。       

 また20年分解いていて思ったのですが、過去問の問題の解法がその後の年度の問題を解くのに役に立つケースが非常に多いです。実際、私が今年(R5)に解いた電磁気はH24の電磁気の解法を知っていると圧倒的に有利な問題でした。同様のことがその他の年度でもあったので、地惑を受験される方には、何とかして多くの年度の問題と解答を手に入れて、過去問の解き方を徹底的に叩き込むことをお勧めします。

 

 

とまあ数学同様書き散らしていきました。次回は唯一の得意科目の英語の話をしようと思います。ではでは